残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法ってどんな本なんだろ。
こんな疑問にお答えします。
本書を読むと、せまい社会を出て自分のニッチな得意分野で評判をあつめることが重要だというのです。本書を読むことで世の中の現実とそのなかで生きる方法論を学ぶことができます。
この本をおすすめしたい人
- 残酷な世界で生き残りたい
- 今の会社で働くことがつらい
- いまのくるしい環境から脱したい
- これからの生き方を考えたい
恋愛工学のゴッホさん(@goph_)もVoicyでこの本によって価値観が変わったとおっしゃっていました。本記事を読んでいただくことでポイントだけおさえることができます。
目次
『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』でわかること
- 人の進化と幸福の歴史から生き延びる方法がわかる
- やってもできない人のための成功哲学
能力がないひとはどうやって生き延びればよいのか
個人の能力は遺伝的な能力で決まっているので開発することは難しい。
遺伝で決まってるんだったら幸せになれないのかというとそうでもなくて、好きなことで評判を集めるのはどんなひとであってもできるから、評判あつめてビジネスにしようということが本書の最終的な主張です。
おもしろポイント
- 能力は遺伝するという現実をエビデンスにもとづいて書かれている
- ひとの性格の決まり方が興味深い
- 進化心理学的になぜ幸福になれないのかが面白い
りょうた
残酷な世界の現実:能力は遺伝する
資本主義の世の中では能力を持ったひとしか成功できないので、努力してもできないことはある。
なぜなら、知能の大半は遺伝するためです。実際に、下記のような記述がありました。
アメリカの教育心理学者アーサー・ジェンセンは、一九六九年に知能(IQ)と遺伝の関係を調べ、知能の七十パーセントは遺伝によって決まると主張した。
意識的には能力は開発できないそうです。だから、やってもできないことはあるというのが著者の主張です。
残酷な世界では能力のない人は生きられないのか?
結論から言うと、残酷な世界では能力がなくても生きていける。
なぜなら、好きなことで生きていける時代になっているため。
実際に、いまは技術革新の発展で自分の得意な分野で評判を得ることができますよね。例えば、ユーチューバーなどがわかりやすい例です。
なので、幸福への近道は金銭的なことは気にせず、好きなことをやってみんなから評価してもらうこと。
であれば、必要なのは、評判を収入につなげる工夫であり、上手にビジネス化することが大切だと著者は述べています。
残酷な世界で生き延びる方法(面白いキーワード2つ)
- 伽藍を捨ててバザールに向かえ
- 恐竜の尻尾の中に頭を探せ
文字だけではまったくわからないのが面白いですが、本書のキーワードです。
残酷な世界では、せまい世界から出ることが大切
『伽藍』というのは寺院のこと。著者は伽藍のことを学校や職場のような閉鎖的な空間として例えています。
『バザール』は市場と言う意味。著者はバザールのことを資本主義の社会に例えているように思います。
なので、残酷な世界で生き延びるには、閉鎖的空間から抜け出して資本主義の大海原に飛び込んでいかないといけない。本書を読んでこのように私は解釈しました。
伽藍とバザールの特徴
伽藍に閉じ込められたら外には出られないのだから、そこでの最適戦略は匿名性の鎧でネガティブな評価を避け、相手には悪評を押し付けることだ。日本はいまだに強固なムラ社会が残っていて、だからぼくたちは必要以上に他人の目を気にし、空気を読んで周囲に合わせようとする。伽藍の典型である学校ではKY(空気が読めない)はたちまち悪評の標的にされてしまうのだ。
伽藍のような閉鎖的な空間ではみんながみんなネガティブな評価を避けて相手に責任を押し付け合う。職場におきかえてみると、出世するためには社内での評価が不可欠ですよね。
そのためには他人をおとしめてでも自分の評価を高めなければならない。そうすると、周りのひとの目を気にしすぎてしまう。
これが日本の同調性を生んでしまっていますよね。外にでたら、職場での評価なんてなんの意味も持たない。出世のための評価を得るために周りを気にしているのは時間のムダでしかないです。
多様性と流動性のあるバザールでは、ネガティブな評判を恐れている理由はない。不都合な評価を押し付けられたら、さっさとリセットして自分を高く評価してくれる場所に移っていけばいいだけだ。だからここでは実名でポジティブ評価を競うのが最も合理的な戦略になる。
バザールの良いところは環境をすぐに変えられることで、自分の評価が得られない場合には評価が得られるところに環境に移動すればいいということです。
そうなると、自分の名前を使って評価や信用を集めたほうがいいと言うことになります。
だからこそ、著者は『伽藍捨ててバザールへと向かわなくてはならない』と言っています。
りょうた
残酷な世界ではニッチな市場を狙え
『恐竜の尻尾の中に頭を探せ』と言うのは、ロングテールの中にショートヘッドを探すことです。
つまり、ニッチ市場を目指すということ。著者は音楽で言うととてもメジャーな歌手マイケルジャクソンを目指すのではなく、マニアックなジャンルのトップを目指せと言っています。
ニッチな市場の例
ニッチな市場であれば、コンテンツを作って評判を集めることは可能です。
なぜなら、ライバルが少ないからですね。
実際に、大きな市場で誰も攻めていない領域を見つけて攻略している個人が世の中にはたくさんいます。
例えば、芸人のヒロシさん。テレビで『ヒロシです…』と人気をはせていた方が、今ではユーチューブでキャンプ動画を作って成功されています。
なので、残酷な世界では、はたらきながら会社の外に自分の居場所をつくり、ニッチな市場で評判をあつめるほうが生き延びられるということ。
りょうた
まとめ:残酷な世界では、自分の好きなことを生き方にせよ
まずは、能力は開発することができないことを現実として受け止めること。
その上で、そうすればいいのかを考えているのが本書です。自己啓発本にあるような、きれいごとではなくてありのままが書かれている点は非常に魅力的でした。
りょうた