悩んでいる人
こんな疑問に、現在入社3年目の内資MRがMRの仕事について解説していきます。
本記事の内容
- MRってどんな仕事?
- MRは製薬企業の営業職
- MRの1日の仕事内容
- MRの仕事への不安【就活生向け】
りょうた
目次
MRってどんな仕事?
お薬の正しい使い方を広めること、これがMRの仕事です。
MRはmedical representativeの略で医薬情報担当者という意味になります。
製薬企業はお薬を製造、新しく生み出して患者さんに使ってもらうことで利益を稼いでいます。
しかし、新しいお薬ができたとしても世の中にお薬の正しい使い方が広まらなければ、患者さんのもとに届かないですよね?
具体例①:MRがいないケース
新しいお薬ができる→世の中に広まらない→病院で使われない→患者さんを救えない
具体例②:MRがいるケース
新しいお薬ができる→MRが正しいお薬の知識を広める→病院で使われる→患者さんを救える
ということでお薬の使い方を病院の先生に紹介して、患者さんに使ってもらい、正しいお薬の知識を広めていくこと、これがMRの仕事です。
MRは製薬企業の営業職です
MRは会社の『営業』に位置付けられます。企業なので利益を継続的に上げていく必要がありますよね。
会社が潰れて患者さんお薬が届けられなくなってしまっては大変です。
お薬の正しい使い方を広めつつ、売り上げを意識した仕事というのは避けては通れません。
なので、医薬情報担当者というと聞えは『カッコイイ』ですが、実際のところは会社の営業マンなので泥臭い営業活動が必要になってくる職です。
りょうた
MRの1日の仕事内容
MRの1日の仕事の流れは下記のようになっています。
8:00~10:00 医薬品卸会社訪問
10:30~11:30 会社に戻って内勤
12:00~14:00 クリニック・病院訪問、先生と面会
15:00~16:30 薬局訪問
17:00~19:00 病院訪問、先生と面会
20:00~21:00 会社に戻って内勤
帰宅
基本的には、外回りの営業活動が中心になってきます。1日の多くを会社の外で過ごしています。
医薬品卸会社訪問
朝は医薬品卸へ訪問しています。医薬品卸とは製薬会社から病院に薬を卸してくれている会社のことです。
医薬品卸で働いている方をMS(Marketing Specialist)といいます。MRはこのMSさんと得意先のクリニック・病院の情報を交換しています。具体的にどんなことを話しているのかというと、、、
- 今月の売り上げの確認
- ドクターの薬剤処方への考え方
- 得意先情報の共有
- 薬剤のプロモーションの提案を確認
- 卸企画の遂行状況 など
卸企画とは、医薬品卸に製薬メーカーがお金を支払って、自社医薬品のプロモーションを依頼して遂行する企画のこと。
MSさんはMRよりもエリアを長く担当している方が多いので色々な情報を持っています。なのでMRはMSさんと協力して、医薬品の情報を届けたり、お薬を売ったりしているんです。
会社に戻って内勤業務
会社に戻って内勤業務。病院訪問の準備や社内の資料作成など、ほんとにたくさんの内勤業務があります。
卸訪問後は会社に帰ってくることなく、そのまま得意先に訪問をしたりすることも多いです。
クリニック・病院訪問
午前の診察が終わるタイミングが、MRの訪問のゴールデンタイムと言われています。基本的には、ドクターとの話し込みが中心です。
例えば、
- 自社医薬品の副作用情報の収集
- 薬剤を処方している患者さんの状況確認
- どのような薬剤が患者さんに適しているのかディスカッション
- 新しい情報をドクターと共有
とはいえ、ドクターも大変忙しいので、お会いすることができないこともあるということが多いのも実情です。
薬局訪問
クリニック・病院に訪問したあとには、薬局にも訪問をします。MRは薬剤師の先生とも情報を共有しています。
例えば、
- 処方元のドクターの薬剤に対する考え方を共有
- 薬剤を使用している患者さんの状況把握
- 自社医薬品の安全性情報を提供
薬剤師の先生は処方元のドクターと直接やり取りをしていないこともあります。そのような時には処方医師へ訪問しているMRが薬剤師の先生のもとに訪問し、情報を共有しておきます。
りょうた
MRの仕事って激務だと聞いたのだけど…
MRの仕事はしんどい、激務だと言われることも多いですが、ほんとにそうでしょうか。
ぼくはそうは思いません。理由は下記の3つです。
- MRは医薬品そのものを扱わない
- 業界として接待が禁止されている
- MRの働き方が変わってきている
MRは医薬品そのものを扱わない
MRは売っている薬を得意先に持っていき、営業活動をしているわけではありません。
なぜなら、薬を得意先に届けたり、価格の交渉をしたりするのはMSさんの仕事だからです。
実際に、ぼくも営業活動中に薬を得意先に運んだりすることは一度もないですし、得意先のドクターと価格の交渉をしたりすることはありません。
例えば、他の営業職だと『見積もり』や『商品の取り扱い』をすることがあると思います。ですが、それはMRの場合にはありません。
MRの仕事は薬剤の適正使用を促進することであり、その仕事に配送や価格交渉は含みません。
なので、他の営業職と比較するとずいぶん業務は少ないと思いますよ。
MRとMSの違い
MRは製薬会社の営業マンでMSよりも自社医薬品について特化した知識を持っています。
一方で、MSの仕事は『営業』、『配送』、『価格交渉』と幅広いのが特徴です。MSは毎日配送で忙しいので、毎日しっかり薬の宣伝や紹介をするというよりは、得意先にMRとたまに同行して宣伝することが多いです。
わかりやすくいうと、MRは狭く深く自社医薬品についての知識を持って営業をしている、MSは広く浅く医薬品の知識を持って営業をしています。
業界として接待が禁止されている
医薬品業界として接待は禁止されています。
下記記事でも紹介していますが、簡単にいうと接待による薬剤の販売促進行為が問題視されたため、ドクターと製薬企業が食事をする機会というのはほとんどありません。
なので、昔ほど家に帰る時間というのは早くなっているはずです。
関連記事>>MRの将来|MRはいらないと言われる5つの理由
MRの働き方が変わってきている
政府が進めている『働き方改革』により、MRの働き方も変わりつつあります。
働き方改革では働く時間を短くして、生産性をあげることが目的となっています。なので、MRの仕事は昔ほど長時間労働を強いられるものではありません。
関連記事>>営業職で働き方改革により変わったこと【経験談と予想】
りょうた
とはいえ、MRは会社の営業マンですので苦労することが多いのも事実。営業マンの大変なところを記事にて紹介していますのでチェックをしてみてください。
関連記事>>営業の大変なところはこんなところ!6つ紹介します【現役営業マンが解説】
MRという仕事は誰でもできる
『MRの仕事に興味はあるのだけど、自分にできるかどうか不安だな』と感じている人もいらっしゃるかもしれません。
結論から言うと、どなたでもMRという仕事に就けると思いますし、できると思います。
ぼくがMRの職にとって最低限必要だと思うのはコミュニケーション能力だと思います。
なぜなら相手はドクター、身分が高いといえども結局は一人の人間だからです。
実際に、MRも普通の営業職となんら変わりはありません。なので、普通に人とコミュニケーションが取れたら誰でもできる職だと思います。
医薬品知識は後からでOK
知識に不安は一切持たなくていいと思います。
なぜなら、薬を宣伝していたら嫌でも身につくためです。
実際に、知識がなくても人間関係だけで薬を売っている人もたくさんいます。
ただし、医療業界は常に変化しているので継続的に学び続ける必要はあると思います。これからの医薬品業界は厳しいと言われているので、生き残れるMRとそうでないMRに別れます。これは確実。
今までは知識がなくてもできたMRの仕事が、これからは間違いなくできなくなると思っていいです。
なので、新しい学術知識を継続的に学んでいく意欲さえあればMRの仕事はできますよ。
まとめ
- MRは自社医薬品の適正情報を広める仕事
- 会社の営業マンであることを忘れてはいけない
- MRの仕事は昔ほど激務ではない
- コミュニケーション能力と知識を学ぶ意欲があれば誰でもできる仕事
以上、現役MRがMRの仕事内容について解説してみました。
就活生の皆さんにとって参考になれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました( ^∀^)